クラウドファーミングって何?

クラウドファーミングとは、スペインの農家 ガブリエルとゴンザロの2人によって始められた比較的新しいスタイルの農業です。
消費されるものだけを栽培し、人々と食材をつなげることを目的としています。

クラウドファーミングの語源は、クラウドファンディングから派生したもので、投資家(クラウドファーマー)がプロジェクトへ資金を提供し、その資金を投資家が興味を持つプロジェクトに投資するというスタイルを採用しています。
投資家はデジタルプラットフォームを通じて投資対象を選ぶことができ、収穫物は投資家の自宅まで届けられる仕組みとなっています。

このアイデアは、ミャンマーの農業分野にも導入することができます。
融資を受ける代わりに、農家は自分の農場を農業ベンチャーに変え、投資家(クラウドファーマー)がその株主となるのです。
この仕組みは農家の代替資金源となりえると期待されています。

クラウドファーミングのメリット

クラウドファーミングには多くのメリットがあります。
世界的なコロナの蔓延により、多くの農家は莫大な損失を被りました。
苦境に立たされた農家たちはクラウファーミングを試みることで、代替資金を得ることができるだけでなく、ミャンマーの農業のために人々(投資家と農家)が力を合わせることで、ミャンマーの食糧安全保障を保つことができるとも言えます。

農業に影響を及ぼす気候変動も大きな問題です。
クラウドファーミングは、地球を守る考えのもと、土壌を傷めない再生可能な農業を推進する目的を持っており、そのための技術や資金を提供することで持続可能な農業を行える、素晴らしいし仕組みと言えます。

また、需給バランスを考え 消費される量だけを栽培するよう慎重に計算されています。
その為、食品廃棄物を大幅に削減することができます。

さらには、クラウドファーミングによって、農家から食卓まで直接農作物を届ける事で、無駄なコストを生み出す複雑なフードサプライチェーンを断ち切ることができます。
中間マージンをカット出来れば、農家は生産物の価格変動を気にする必要がなく、同時にエンドユーザー(投資家)の元にも、安定した価格で農産物を届けることが出来るのです。

クラウドファーミングの成功例

クラウドファームのアイデアはヨーロッパで生まれましたが、ナイジェリアはEU圏外では突出した成功例と言えるでしょう。

現在、Farmcrowdy, Thriveagric, Farmkart, Porkmoney, Growcroponline, Growsel, eFarms, Agropartnershipsの8社がクラウドファームの新興デジタルプラットフォームを展開しています。

投資対象は主に、ササゲ、ピーマン、牛肉、スイカ、トウモロコシ、米、鶏肉、大豆、トマトなどで、大きな成功を収めています。

クラウドファーミングの概念をミャンマー全土に

ミャンマーの食文化は、有機農産物や産地直送へとシフトしつつあり、有機農業の需要が高まってきています。
また、世界的に開国が進んでいるため、環境問題への意識も高まっています。
そのため、土壌を保全・改良し、人と自然が共存するパーマカルチャーなどの再生農業や、農薬や遺伝子組み換え作物を使用しない伝統的な農法に則った有機農業が今後増加すると投資家の関心を集めています。

ミャンマーの経済成長とともに、農業部門が投資を受けるためには、透明性とデジタル化が重要になります。
農業への投資は、国の食料安全保障を確保し、農民の貧困からの脱却のチャンスになり得ます。

クラウドファーミングのようなデジタルプラットフォームを利用することで、農業の最新情報やプロセスの透明性から国内外の投資を呼び込むことが出来るばかりか、同時に気候変動と戦うためのツールにもなり得るのです。

また、農家が農業企業となることで、ホテルやレストランなどのガストロノミー・ビジネスに新鮮な農産物を直接提供でき、多くの中小企業にとってWin-Winの状況を生み出すことができます。

結論として、クラウドファーミングはミャンマーの農家にとって新しいビジネスチャンスであり、ポストコロナにおいて、このアイデアを適応することで、クレジットやローンの悪循環から抜け出す解決策になると考えられます。
もしかするとクラウドファーミングでは、農家は利子の返済やローンの返済を心配する必要はないかもしれません。
リスクは他の株主と一緒に共有しているので、仮に失敗しても農家は損失が少なく、心配の種も少ないのです。

この新しいコンセプトは試してみる価値があると言って間違いありません。